ガイアの夜明け チーズは安くなるけどバターはなぜ高いのか?

今夜のガイヤの夜明けはチーズは安くなるけどバターはなぜ高いのか?

3月下旬人だかりが出来ているお店がありました

ショーケースに並んでいたのは様々な種類のチーズです

ソフトな口当たりのカマンベールチーズ

ハードタイプのミモレット

パパイアを乗せたデザート向けのチーズもあります

これらはすべてフランス産です

実は、無料でチーズが食べられる7日日間限定の試食イベント(ラメゾンデュフロマージュ)です

仕掛けたのはフランス乳業団体のローランダミアンさんです

「私の仕事はフランス産のチーズや生クリームバターの魅力を日本に広める事です」

なぜこんなイベントを開いたのでしょうか?

7月日本とEUが署名したEPA経済連携協会

EUから輸入する食品や工業製品などにかかる関税の9割以上が撤廃されることになりました

ダミアンさんそれに先駆けフランスの乳製品を日本に売り込みに来たのです

ところが

ダミアン

「今日はバターありません

もちろん日本にフランス産のバターを輸出したいと思っています

フランス産のバターは素晴らしいですから

でも日本の関税が高すぎてバターを輸出することが難しいのです」

今回のEPAでワインは関税を即時撤廃

チーズも一定の枠内で段階的に関税を撤廃します

バターは、なぜかほとんど据え置きで高い関税のままです

フランスでは約460円のバターですが日本で買うと2224円です

他のバターも4倍以上の価格です

一方国産のバターの価格は435円で10年ほどで約4割高くなっています

更に過去に何度もバター不足が起きています

農林水産大臣は

「平成26年以降バター不足は基本的に発生していない

私どもは今後も安定的にバターを供給できる」

政府はバターは十分足りてると言います

しかし現場では

国産のバターを使った人気パン屋さんに聞いてみました

ピーターパン 奏の杜店

「実際にかなり国産バターは手に入れにくいです

うちとしては九州から北海道まで全国のバターをメーカーにお願いして何とかかき集めている状態です

業界全体としては手に入れにくいのが現状です

バターの価格も徐々に値上げ傾向にあります

今年の5月6月にかけて値段が少しずつ上がりました

塩バターロールは人気商品なので今の値段で提供していきたい思いは強いが値段を上げないといけない日がやってくるかもしれません」

なぜ国産バターは高くて足りないのか?

農協系のホクレン、バターの原料生乳の半分以上を扱っています

以前の取材でホクレン職員からこんな発言がありました

「山のようにバターが置いてあったら買わないんですよ

どんどんなくなっていくと消費者心理からバター不足が起きるのではないかと

買い増しという行為が起こる」

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バター不足が起きてもかまわないともとれる内容が大きな議論を呼びました

そしてバターの原料生乳を作る酪農の現場では

「とりあえず歓迎はできないよな

リスクは背負ってもらうよ」

「農協を裏切った場合に潰されるんじゃないのか」

2年におよぶ取材から見えてきたのは自由な取引をはばむ高く厚い壁だったのです

そこで農家も消費者も幸せにする新たな仕組みが動きます

酪農家が生産した生乳は長年にわたる流通の仕組みがありました

ほとんどの生乳は指定団体と呼ばれるところに買い取られます

そこから各乳業メーカーに降ろされます

そしてこの生乳を各メーカーが牛乳やバターチーズなどに加工して消費者のもとに届きます

この指定団体全国に10あるのですが運営しているのはすべて農協系です

結果的に生乳の生産流通量の96パーセントは農協系の指定団体が独占しているのが現状です

この状況風穴を開けようとしているのが

民間の卸し売り会社MMJ(ミルクマーケットジャパン)です

MMJは指定団体よりも生産者から高く生乳を買い取りメーカーには逆に少しでも安く卸しています

実は今年4月に法律が改正されて先ほどの流通の流れが変わり自由化へと動きだしました

ガイヤでは2年にわたって自由な流通を求める酪農家たちの姿を追い続けています

2016年6月北海道浜中町

MMJの社長 茂木さん

質の高い生乳を生産する酪農家から直接買い取っています

MMJの売りは高値での買い取りです

現在キロ102円

指定団体は買い取り手数料を引くとおよそ96円

その差は6円あります

MMJの契約農家は83軒です

出荷先をMMJに変えるだけで売り上げが数百万円~数千万円アップするのです

群馬県伊勢崎市

住宅街にある建物の一角にMMJ本社があります

一間だけの質素なオフィスに社員4人

MMJは人件費や設備コストを圧縮することで高い買い取り価格を実現しています

「MMJに出荷することで農家の所得が増えることは間違いないです

農家が元気になれば後継者も入るし従業員も増えて生産量も増える

そうなれば当然バター不足は解消できる」

北海道釧路市阿寒町

ここにもMMJに生乳を出荷する酪農家がいました

福田さん

「MMJの方が利益が出るので規模の拡大を考えていける

まだまだ大きくしたです」

2年前のこと福田さんは生乳の出荷先をホクレンからMMJに変えたいと思い地元の阿寒農協へ相談しに行きました

福田さん

「MMJとコンタクトを取っている

阿寒農協の組合長としてどう考えているのかな」

組合長

「とりあえず歓迎は出来ないよな

行くのは個人の責任で行くんだから

それはしょうがない

ただリスクは背負ってもらうよ」

MMJへの出荷をめぐって阿寒農協の組合長と対立することに

阿寒農協の組合長

「福田さんの牛乳は農協に出荷しなくても賦課金を徴収することになるという認識です」

賦課金とは農協が組合員に課す負担金です

組合長は福田さんが農協に出荷しなくても生乳1キロあたり50銭を支払うよう通告してきました

その額およそ年間で120万円です

福田さん

「僕は出荷しないんですよ農協に

なぜ徴収するのか、意味がわからない」

2017年7月東京

福田さんは公正取引委員会に訪れました

阿寒農協が課した賦課金の是非を国に判断してもらおうというのです

10月に福田さんに課した賦課金が独占禁止法で禁じられた優越的地位の濫用にあたるおそれがあると阿寒農協に注意をしました

結局阿寒農協は賦課金の徴収を一時停止しました

その頃MMJの生乳を買った地方の乳業メーカーにも巨大組織の圧力がかかりました

福島乳業メーカー

「新聞に出てMMJと取引開始しますよと将来の事を言ったらそこから圧力がかかってきました」

事の発端は2年前地元新聞にMMJと取引したいと話しました

すると生乳を買っていた指定団体の態度が一変しました

「前金じゃないと売らないと言いだしました

ということは毎週金曜日にお金を用意して来週分を買うそういうかたちになりました

福島乳業は東北生乳販連に約1億7000万円の借金がありました

返済を猶予してもらえないか相談したところ

去年2月に債権譲渡担保権設定契約書にサインを求められたのです

福島乳業はスーパーなど152の取引先に乳製品を販売しています

契約はそこからの売り上げ金を指定団体が担保にとることができるというものです

これにサインすることで借金の返済を猶予してくれると言われました

しかし三カ月後に5月23日付で得意先にこういう文書が行った

東北生乳販連は突然この文書を福島乳業の152の取引先に配布しました

そのすべてから借金の返済として売り上げ金の回収を始めました

「売上金を取られちゃうわけだから完全に潰そうという魂胆で来ました

こんなにひどいのかなと思いました

うちが動いてMMJとお付き合いすれば他のメーカーも動く可能性があるから入り口で切った」

福島乳業にお金がほぼ入らなくなり資金繰りが急速に悪化していったのです

12月22日福島乳業は指定団体「東北生乳販連」が入居するビルにやって来ました

福島乳業は東北生乳販連に毎週前払いで生乳代金およそ300万円を払っていました

いつも多めに納めていたので1200万円ほど貯まっていたのです

福島乳業はそれを返して欲しいと頼みました

「MMJのせいではないよってニコニコしながら言っていました」

借金を返さないと貯めていたのも返せないとの返事でした

今年5月突然福島乳業と連絡が取れなくなりました

工場に向かうと門が閉じていました

閉鎖して従業員全員解雇されていました

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